さまざまな業界から注目されているのが、電話代行サービスです。専門のオペレーターが親切丁寧な対応をしてくれたり、自分に代わって面倒な電話をしてくれたりするところは電話代行のメリットですが、「秘密が漏れることはないのか」と不安になる人もいるかもしれませんね。

今回は、電話代行で重視される守秘義務を取り上げながら、サービスの選び方についてお伝えしていきます。

電話代行にはいろいろなサービスがある

電話代行サービスの業務内容には、かなりのバリエーションが見られるようになっています。例えば、秘書代行とも呼ばれる電話代行サービスの場合は、トレーニングを受けたオペレーターが電話受付業務を行います。顧客からの伝言を受け付けたり、クライアントへの取次を行ったりするのが、このような秘書業務を行う電話代行サービスです。参考|受付代行

電話を受けるときにクライアントの企業名を名乗り、代行サービスであることがわからないように対応するところも多く、人手不足に悩む企業にとってはとくに便利なサービスと言えます。

また、徐々に増えているのがさまざまな電話を本人に代わってかける電話代行サービスです。この手のサービスでは、退職の申し出や内定辞退の電話などを代行しています。配偶者の浮気相手への電話連絡やクレームの電話なども代行することがあり、サービスの幅が広いのが新しい電話代行サービスの特徴です。

ちなみに、このようなサービスでは、電話連絡を終えた後に担当者から報告が受けられる場合が多いです。

企業秘密や個人情報を扱う電話代行は秘密厳守が基本

提供しているサービスの内容を問わず、電話代行では秘密厳守が基本です。電話代行サービスが万が一クライアントの秘密を漏らすと、信用を失うだけでなく、クライアントから損害賠償を求められたり罪に問われたりするケースもあります。

公務員や医師、弁護士のような特定の職業の人は、法律で守秘義務が課せられています。一般の会社員の場合は、社内規則や労働契約法によって情報を漏らすことが禁止されるケースがほとんどです。アルバイトの場合も、雇用契約書などに秘密厳守に関する規定が盛り込まれている場合があります。

電話代行は、企業や個人の情報に触れる機会が多いのが特徴です。例えば、コールセンターの受付を代行するスタッフは、企業秘密やクレームへの対応マニュアルなどを知る機会があるかもしれません。顧客の氏名や電話番号などの個人情報を取り扱うケースもあるため、電話代行サービスではしっかりと秘密が守れるようにオペレーターを教育したり、システムのチェックを徹底したりする必要があるわけです。

実際、寄せられたクレームの内容や顧客の個人情報が外部に漏れてしまうと、いろいろな不都合が生じる可能性がありますよね。料金を支払ったにもかかわらず秘密が漏れてしまっては、サービスを利用した会社としても踏んだり蹴ったりになってしまいます。

電話代行センターを利用するメリットと選び方

労働者の守秘義務違反は懲戒解雇の対象になる

電話代行のスタッフがルールに背き、情報を漏らしてしまったときには、最悪の場合は懲戒解雇になる可能性があります。実際、守秘義務違反が原因で懲戒解雇になり、最終的に裁判にまで発展したケースは少なくありません。

このような裁判で問題になりやすいのは、「情報を漏らした目的」です。例えば、リベートなどを受け取る目的で第三者に情報を漏らしたときには、不当な目的で情報を流出させたと判断されます。こういったケースは、本人が懲戒解雇に不服をとなえて裁判に臨んだとしても敗訴する確率が高くなります。

一方、懲戒解雇が取り消しになることがあるのが、社内でいじめを受けていた社員が弁護士に人事に関する情報を漏らした場合などです。電話代行のスタッフが情報を漏らしたときも、「情報を漏らした目的」や原因などが処分を決定する際に問題になってくるでしょう。

電話代行サービスに委託するメリットと注意点

サービスを選ぶときのチェックポイント1「秘密厳守をアピールしているか」

きちんと秘密を守ってくれる電話代行サービスを探すには、そのサービスのコンセプトや経営方針などを知るのが1つの方法になってきます。例えば、公式サイトなどで「秘密厳守」を強くアピールしているサービスは、守秘義務についての意識が高いと予想されます。

こういったサービスはスタッフの教育にも力を入れていることが多く、代行業務をアルバイトの社員に対応させないなど、さまざまな点で秘密を守る工夫を行っています。また、この手のサービスのサイトでは、質問コーナーを設けて情報が漏れるリスクについての質問や回答を紹介していることもあります。

秘密を守ることについて何もコメントがない場合は、念のためにそのサービスの評判をチェックしておく必要があるでしょう。電話代行で長年信頼を得ているサービスの場合、「秘密厳守」は基本的なルールであり、あらためてアピールすることではないかもしれません。

こういったサービスは大きな宣伝をしなくても利用者が集まるため、サイトでも「秘密厳守」を大々的にアピールしていない可能性があります。ただ、新しいサービスの場合は、やはり「秘密厳守」に関するコメントがないと不安が残ります。

必要に応じて口コミサイトなどを見てみるのも、電話代行サービスを選ぶときの方法になるでしょう。

サービスを選ぶときのチェックポイント2「利用規約や個人情報保護方針」

電話代行サービスがどのようなスタイルで営業をしているかは、サイトで公開されている利用規約や個人情報保護方針を見るとわかるケースが多いです。利用規約は、そのサービスを利用するときに利用者が知っておかなければならないルールをまとめたものです。

このような利用規約には、料金やキャンセルについての基本的なルールが盛り込まれていますが、顧客情報の管理に関するルールも記載されている場合があります。自社のサイトを開設している電話代行サービスは、だいたいにおいて利用規約をウェブ上で公開しています。

「知り得た情報を第三者に提供しない」などの文言が記載されていれば、ある程度安心ができるサービスと言えるでしょう。公式サイトでは、個人情報保護方針や個人情報についてのルールが紹介されているケースも少なくありません。

この手のルールでは、個人情報を利用する目的や安全管理の方針などが明確に規定されています。例えば、「利用の目的」の欄に「電話代行業務での連絡」や「問い合わせの回答」といった内容が明示されているときは、それ以外の目的で情報が利用される心配は通常はないと言えます。